いぶき: 何かタイミング良く来たしw  ヨゴレ(見学): 飯ROMだそうだが  古山: あら  いぶき: ふむ、では仕方ない。  丈一郎(見物): ん、今帰ってきたばかりなのでご飯が  いぶき: おつっすー ---23:33 【丈一郎(見物)】から【旋風(見物)】になりました---  古山: お疲れ様です。  古山: というわけで始めちゃいます。  いぶき: ぱちぱち。  古山: 日常の流れ。非日常の断片。  古山: きっと、いつかめぐり合う。きっと、いつか会うでしょう。  古山: それは所謂運命か。それとも単なる偶然か。  古山: DR外伝「降りた兄妹」  いぶき: ぱちぱちw ---23:37 瑞未(バイト終了)さんがやってきました---  瑞未(バイト終了): こんばんわ・・・(びくびく)  古山: ばわっす。そいじゃ今から描写入りますw  いぶき: w  古山: 此処は、何処だろう。此処は、名古屋という町。此処は、流れ着いた町。  古山: いつものように宿は無く、いつものように知人も居ない。  古山: ふらりふらりと彷徨い歩いて。いぶきは、とある公園を訪れました。  いぶき: 「……えーと、あそこに見える建物が………あれ?」  いぶき: (方向音痴です)  古山: 夕方。妖しの身であるいぶきにとって、妖怪達にとって、馴染みが深い時間。降魔ヶ刻。  古山: ふらふらと渡り歩いて、公園の中央に。昼間目をつけておいた良さそうな野宿場所も、何処にあるのやら。  古山: 人のいない公園。いくつかのベンチが並んでいます。  いぶき: 「良い風が吹いてるね……(なんだかどこだかわかんなくなってきたけど)まぁいいや。」  古山: その中でたった一つだけ。ベンチの一つに、座り込む人影が。  いぶき: ん?とちょっと見る。  古山: 大きなリュックを背負って。俯いて座る人影。  古山: 見て、感じるコト。一つだけ、感じるコト。  古山: ─凄く、懐かしい。  いぶき: じろじろ眺める。妙に既視感のある人影。  いぶき: この既視感は、一体、いつ。  古山: 優しい風が吹き抜けます。その風は、気のせいかいぶきの背中を押すようで。  古山: いつだろう。考えても、思い浮かばない。 ---23:44 【旋風(見物)(食事中)】から【旋風(見物)】になりました---  古山: いつだろう、なんて考えれば考えるほど、それは分からなくなっていきます。そして同時に、既視感は強くなる。  いぶき: 「えーと……そこの人」(声をかけたかったがなんとかけたらいいか思いつかなかったらしい)  古山: 「…ん?」  古山: そして、その人影は顔を上げます。億劫そうに、ゆっくりと。  古山: ─考えても、分からないはずだ。いつだろうなんて、考えているから。  古山: ─それは。この感じは。この人は。生まれたときから、ずっと─  古山: 「…何か?」訝しげに見やり。  いぶき: 「あー、えーと……」  いぶき: (喉元まで出かかってるのにとか思ってる)  古山: その男性も、眉をひそめています。何かを思い出そうとしているかのような。  古山: 「…なぁ、あんた。…その、どこかで会ったっけか」  いぶき: 何だろう、何だろうこの人間、凄く懐かしい  古山: 男性はそういうと、ぼさぼさの髪を乱暴に描き始めます。ぎこちない指の動き。慣れた腕の動き。  いぶき: 「あ、そんな気する……しますか、やっぱり」(横髪とか意味もなく指でくるくるしつつ)  古山: ぴた。  古山: 男性は、何かに気付いたように手を止めます。  いぶき: さっきから入室できないで居るのはやっぱり鯖調子おかしいのかなぁ  古山: 落ちましたか。  いぶき: 「(やはり何か既視感)」  古山: 「……ぁ、あー」  いぶき: いや、先ほどから落ち続けてる人がいる  古山: むぅ。  古山: 「…突然、変なことを聞いていいか?」  いぶき: 「……何?」  古山: 「それ」  古山: 男性はゆっくりと手を上げ、貴方の手を指します。くるくると、無意味に髪をいじりつづける手を。  古山: 「…その、癖。昔いじってたの…髪じゃなくて。尻尾だったりしないか」  古山: 訝しげに。疑わしげに。けど、どこか確信をもって。男性は、あなたの瞳をじっと見詰めて、問い掛けます。  いぶき: 「うん(反射)」「え?っと、それ知ってるのって」  古山: 「里のヤツなら、誰でも知ってるさ」  古山: 男性も、反射的に応えたようで。  いぶき: 昔。昔。穏やかだったころに。そういえば。そういえばこの姿を。よく似た姿を。  古山: 困ったように、髪を掻いて。  古山: 人里に慣れないあの人は、いつもこうして困っていた。  いぶき: 「えーと………もしかして、もしかして……山背、兄さん?」  古山: 「………おいおい」  古山: 「……冗談だろ、こんなこと」男性は、困ったように髪を掻いて。けど、口元にはかすかな笑み。堪えきれない、嬉しさがあふれ出て。  古山: 「……いぶき、か?」  いぶき: 「………やっぱり、ほんとに兄さん?」(言いたいことがありすぎて言葉にならない状態らしい)  古山: 「お前の言ってるのは…鎌鼬の、山背だろう。今の俺は、古山隆之…なんだが」何度か、視線をめぐらせて  古山: 「……確かに、俺は山背だよ。里のヤツならともかく、お前がいぶきなら…俺の妹なら、覚えがあるだろ。この顔にも」  いぶき: 「昔はもっと若かったけど。ひげも……なかったしね」 ---0:07 朔夜さんがやってきました---  古山: 「どうも、人間と同じように年を食うらしくてな。…剃ってる暇が無くてな」  古山: そして、男性…いえ。山背は、八年前にいなくなったあなたの兄は、ゆっくりと立ち上がります。 ---0:08 【朔夜】から【朔夜@傍観】になりました---  いぶき: ……タイムアウトが凄いです。鯖立てなおしたほうがいいでしょうか?………  古山: 記憶にある、兄の…人としての姿より。今までの歳月と相応の年を取っていて。背も高くなっていて。無精ひげも生えていて。けど、確かにそれは兄で。  古山: むー。一旦立て直します?  旋風(見物): こっちは見えない<タイムアウト  いぶき: ATOさんが大変だしそうしましょうか………w  古山: 鯖にだけ出てるっぽ  古山: じゃ、一旦カウンターに戻りますか  いぶき: すみませんがネマさん此処まで宜しく……… ---0:10 サーバーから切断されました--- ---0:20 接続キー認証中--- ---0:20 ログ取りくまぁさんがやってきました---  幽奈(凹): 私たちはあとでログ見ればいいですけどねまさんがいないと…>等価じゃない  ログ取りくまぁ: にゅ?  アイシャ(見学): おかー  瑞未(バイト終了): お帰りなさい  ログ取りくまぁ: たらこ  いぶき: おかですー  幽奈(凹): おかえりなさい  旋風(見物): おかえり〜  刑部(見学): おかえりなさいませ  ログ取りくまぁ: ログ取りくまぁは中身が隣の部屋で旦那がアスばっかだといちびっておりました  アイシャ(見学): 猫さん…(笑  アイシャ(見学): んじゃま気にせず続きどぞー  古山: おかーす  いぶき: んじゃぁ、そろそろ・・・どこからだ?w ---0:22 ヨゴレ(見学)さんが去りました------ ---0:22 ヨゴレ(見学)さんがやってきました---  旋風(見物): おかえり〜  刑部(見学): おかえり  瑞未(バイト終了): お帰りなさい  古山: おかっす  ヨゴレ(見学): 次落ちたら遠慮しとく。ログうp待てばいいだけだしのう  いぶき: いや・・・どこからか確認中w  古山: えーと…w  旋風(見物): 旋風がいぶきたんのふとんにもぐりこんだところから(違)  いぶき: えと、山背が立ち上がったとこかw  ログ取りくまぁ: エロログ禁止と言っておく  アイシャ(見学): こっちゃでもおやすみ たかだかみんちゃにはいれんくらいでうがーとなりそうだたのは重症だ  アイシャ(見学): ノシ  旋風(見物): おやすみ〜  ログ取りくまぁ: おやすみー ノシ  古山: おっけ、じゃあ立ち上がったとっからこぴぺw  古山: おやすみなさい  いぶき: おやすみなさーい  瑞未(バイト終了): お休みなさい ---0:26 【アイシャ(見学)】から【アイシャ(接触危険)】になりました---  ログ取りくまぁ: ハァハァしたら殺されますね  刑部(見学): お疲れ様  古山: そして、男性…いえ。山背は、八年前にいなくなったあなたの兄は、ゆっくりと立ち上がります。  古山: 記憶にある、兄の…人としての姿より。今までの歳月と相応の年を取っていて。背も高くなっていて。無精ひげも生えていて。けど、確かにそれは兄で。  いぶき: 一歩、近づく。  古山: 兄は、少し…口の端だけで笑うと、右手を上げる。胸の前にかざすように、音も無く。  いぶき: 右腕を上げる。そして、そのまま。  古山: 懐かしい、兄。その姿が、重なる。 懐かしい、妹。その姿が、重なる。 記憶の中に。  古山: 兄は腕を突き出す。手首から先を、鋭い鎌に変えて。  いぶき: 構える。そして、手首に鎌を生む。風の子であるしるし。  古山: ゆっくりと、音も無く。草原を撫でる、風のように。  いぶき: ゆっくりと、そして速く。高原を奔る、風のように。  古山: 二つの鎌が、交差する。  古山: 鋭い、鋼の鳴き声を上げ。  いぶき: 「………久しぶり」  古山: 「………ああ、久しぶり」  いぶき: 「この挨拶、もうすることがあるなんて思わなかったわ……兄さん」  古山: 「俺の台詞だ。する気も無かったよ……いぶき」  いぶき: 鎌をしまって………ところで人払いしてないのは演出上の都合で突っ込み禁止だw  古山: 演出優先空間ですから(ぇ  古山: 同じように、鎌を手に戻して。  いぶき: 「もう、いくとせしていなかったことかしら、鎌打ちなんて。」  古山: 「俺は、八年。里を出る、一週間前にお前たちとやったのが最後だ」  いぶき: 「もう……そうね、6年にもなるわ。里を出るとき、旋風兄さんとしたのが最後……」  古山: 「…長い、な」  いぶき: 「長いわね」  いぶき: じゃぁ、近づいて。横に………でもちょっと離れたところにすとんと座って。  古山: 同じように、すとんと腰をおろして。  古山: 「…ごめんな」  古山: 唐突に、呟くように。兄は言います。その言葉が、一体何に向けられたのか。  古山: 一体、何に。  いぶき: (ちょっと黙って)「(独り言を言うように)ずっと聞きたいことがあったわ」  古山: 「ああ」  いぶき: 「六年前からずっと」  古山: 「…ああ」  古山: 兄は、前を向いたまま。見せるのは、ただ横顔のみ。  いぶき: 「……長の……(長と呼びたくないらしいがまぁともかく)言うように。本当に兄さんは群れを裏切ったのか。そうだとしたら、何でなのか。」  いぶき: 「なんで、私達を置いていったのか。」  古山: がづん。  古山: 鈍い音が響く。  古山: それを見やれば…兄の手は、両方とも鎌に転じていて。伸びた鋼は、ベンチを深く抉っていて。  古山: 「…俺は、群れを裏切った。それは、確かだ」  いぶき: 「……そう」  古山: 「…何て聞いている?」  古山: 気のせいだろうか。兄の髪の毛は少し逆立ち、唇は噛み締められ。微かに、耐えるように。  いぶき: 「ただ……重大な禁を犯して、……そして群れを裏切ったと。そして、群れの者を手にかけたと、そう聞いたわ」  古山: 「…掟は、破った。群れを、裏切った。……群れの者を、切った。この手で、この鎌で」  古山: 「全て、事実だよ」  いぶき: 「そう…………。信じたくはなかったわ」  古山: 「期待に添えなくて、すまんな」  古山: 「…俺が破った掟。何だと思う」  いぶき: 「知らないわ。……教えて貰えなかったもの」(長の所に嘆願にいくたびに)  古山: 「だろうな」  いぶき: (幾たびも、聞いたけれど)  古山: 兄は、笑みを浮かべます。  古山: 記憶の中にある、優しい笑みではなく。  古山: 自嘲するような。嘲るような。己を、そして長を、互いを蔑むような笑みを。  いぶき: 黙って、ただ見つめようか  古山: 「『人間と、関わるべからず。彼奴等はただ、母なる我等が山々を傷付け、悪戯に木々を切り倒し、野を焼き払う害悪なり』」  古山: ぽつり。  いぶき: 「……長の、口癖ね」  古山: 「あいつの、口癖だ」  古山: 吐き捨てるように。  古山: 「破ったよ。見事に、破ってやった」  古山: 「…二年間。ずっと、一緒にいた…人間の、女だ。関わって、馴れ合って、一緒に過ごして…」  古山: 「─愛し合った」  古山: その言葉を言う、その一時だけ。兄の顔は、どこか気恥ずかしげに。  いぶき: むぅ。  古山: 「─長が、彼女を。『俺をたぶらかした人間』として、殺す程にな」  古山: 「だから俺は群れを裏切った。」  古山: 「里に連れ戻そうとした使者を切った。送られた追手も、切った」  いぶき: 「……どうして、そこまで?斬ることは、あんなに嫌いだった癖に」  いぶき: どうしてそれなのに同族を切れたの?なんでそこまで?という顔で  古山: 兄の、口癖。人間を切れ、追いやるために切れ。そういわれても尚、風を起こすだけだった兄の、口癖。  古山: 『─切るのは、専門外だ。だからといって、旋風にも、いぶきにも、やらせるつもりは無い』  古山: 毅然として、真っ向から長に言い放ったあの言葉。  古山: 「………─だから」  古山: 「彼女が、好きだから─そして、人間が、好きだから」  古山: 「…それだけだ」  古山: その、たったそれだけの言葉が。あの兄の言葉を、打ち破るのか。  いぶき: じゃぁ、ちょっとそう言った顔を眺めて、それから前を向いて。膝に、顎を乗せるように……自分を抱くようにして。  いぶき: 「…………………人は、嫌いよ」  古山: ただ、その『それだけの言葉』を言う兄は。あの時と同じように…いや、それ以上に。毅然としていて。  いぶき: 「解らないわ、解らない。人が、そんなにいいものなのか」  いぶき: 呟くように。  古山: 「解らない。解らないさ」  古山: 「人の良さも。悪さも。美しさも。醜さも」  古山: 「優しさも、寂しさも、悲しさも、冷たさも……暖かさも」  古山: 「人の世で、人とともに、人として生きなければ。解らないさ」  いぶき: あぁ、似たような言葉を、遠い昔に、聞いた。  いぶき: 人里の話をするときに。寝物語に。  いぶき: 兄は変わったと思っていた。変わってしまって、裏切ったと思っていた。だから、信じたくなかった。  いぶき: …兄は、変わっていなかった。あの時から、まっすぐな瞳と、鋼のような心は、何も。  古山: 「…俺は」  古山: 「……人が、好きだ」  いぶき: でも………痛い。心が。稚いことだ、我ながらに。  いぶき: わかっている。解ってはいる。  いぶき: ただ、六年は長かったと………そう言うことなのだろう  いぶき: 「……………わからないわ」  古山: 「………そうか」  いぶき: 積み上げたものが壊れそうで。壊れるべきなのかもしれないと思っても。  いぶき: ただ、目を逸らす事しか今は、できないのだろうと。  いぶき: 「………どうして。」  古山: 兄の瞳は。ただ、ただまっすぐで。群れの中でも珍しく、直ぐに伸びたその鎌のように。  いぶき: 「どうして置いていったの?」……言葉を探す。  古山: 瞳は、曲がらない。ただ、揺らぐ。  いぶき: ……沈黙が恐ろしいのは、きっと初めてだったはず。  古山: 「……ぁ…」  古山: 喉が、掠れたような声。  いぶき: わかりきったと思っていた事を、無意味に唇に乗せる。  古山: 言葉を、捜す。全てが、言い訳になりそうで。それを振り払うような、言葉を捜す。  古山: 有りはしない。  古山: ─なら。飾りの無い、直ぐな言葉を発すだけ。ただ、自分の気持ちを伝えるだけ。最愛の肉親に。守るべき妹に。  古山: 「…お前達を、守りたかった」  古山: 「─俺は、裏切り者だから。俺がお前達を捨て、山背を捨て、罪人となって、逃亡者となれば…お前達には、群れの鎌は向かないと思った」  古山: 「…そう、思った」  いぶき: 「……鎌鼬が、誇り高き風の子が、対でなくて在れると思って?」心のうちとは、違うことを言う。  いぶき: この言葉すら半分嘘だ。里を降りたのも、ただ。兄を。優しい長兄を、裏切り者と蔑む目が、見たくなかっただけだったから  古山: 飾りの無い?嘘だろう?お前は怖かっただけだ。裏切り者となった自分を、弟が、妹が、どう見るのかを。  古山: 「…里を、出たのか」  古山: 「……だから、里を、出たのか」  古山: 「…いぶき。聞かせてくれ」  古山: 「お前は─」  古山: 兄は、横顔しか見えなかった兄は。あのまっすぐな瞳を、妹に向ける。  古山: 「─お前は。俺を、恨んでいるか?」  古山: もしかしたら、ただ、その言葉だけが。まっすぐな、鋼のような心に。八年間、入りつづけたヒビなのかもしれない。  いぶき: 「わからないわ………それこそ、わからない」解らない。自分の心が。  いぶき: 「ただ………」しかし、ただひとつ、いえることは。  古山: そして。迫る。  古山: 兄妹の背に、死が迫る。  古山: 茂みから飛び出した、獣。両の腕を凶器と貸した、一匹の鼬。  古山: ─鎌鼬。  古山: 問い掛けるいぶきは、気付かない。  古山: ただ、兄の目だけが。少しだけ動いて。  古山: ─荒れ狂う風が、轟音を放つ。  いぶき: 「……うぁ!?」  古山: 兄を中心に、風が吹き荒れる。飛び掛る鎌鼬を─里の追手を、弾き飛ばし。  古山: そして、いぶきが弾き飛ばされる─  古山: 寸前。兄の大きな手が、いぶきの肩を抱きとめる。  古山: 「待ってろ」  古山: 耳元で、一声。鋭い目と似合わぬ、優しい声。  いぶき: ――既視感。あぁ、こんなことが。昔にも。  いぶき: 恐れてしかるべきなのに。何故か、ひどく安堵した。  古山: しっかりと抱きとめていた手を、離す。子供をあやすように、ぽん、と軽く叩く。  古山: ─そして、次の瞬間。その両手は、鎌となる。  古山: 体勢を立て直し、宙を滑るように再び遅い来る鎌鼬。ただ両の手だけを「戻し」た兄。  古山: 一閃。  いぶき: あれは、いつのことだったか。  古山: 打ち合わされる鋼。火花が散り、銀光が走る。  いぶき: 幼い兄の起こした風で。  いぶき: 飛んでいった風車を追って。  古山: 左手の鎌を、振るう。  いぶき: いつしか野犬に囲まれていたときのこと  古山: 再び、火花が散る。  いぶき: 未だ鎌も使えず。死を覚悟した  古山: 踊るように、鋼が舞う。  いぶき: 風が興り。「待ってろ」そう、あの時も声がして  古山: 幾度の剣戟。  いぶき: 地を這うように、走る。大地を抉りながら、鎌が振り上げられる。  古山: 地を這うように、走る。大地を抉りながら、鎌が振り上げられる。  いぶき: 山犬が、飛び掛る。  古山: 鎌鼬が、飛び掛る。  いぶき: 力任せに。ただ、全力で。捨て身で、鎌を振り上げる。  古山: 力任せに。ただ、全力で。捨て身で、鎌を振り上げる。  いぶき: 兄の肩を、牙が抉る。  古山: 兄の肩を、鎌が抉る。  いぶき: 山犬の首を。  古山: 鎌鼬の首を。  いぶき: 兄の鎌が、断った。  古山: 兄の鎌が、断った。  いぶき: そして、兄は振り向いてこう言うのだ。  古山: そして、兄は振り向いてこう言った。  いぶき: 「もう、大丈夫だ」  古山: 「怪我は、無いか」  古山: ─そして、記憶が交差する。  古山: 「…さっき会った、追手だ。確かに殺したと思ったんだが…生きていたか」  古山: 「…お前達を、守りたかった。この、向けられる鎌から」  古山: そして、兄は歩き出す。ゆっくりと、いぶきに背を向けて。  いぶき: 「あ……」  いぶき: 我知らず、歩き出す。その背を追って、昔のように  古山: 「…いぶき。この町を出ろ」  いぶき: 「……何故?」  古山: ただ、背中を向けて言う。きっと、妹はそこに居るから。昔のように。  古山: 「追手があいつだけだったかはわからない。里に連絡がいけば、本格的に俺を始末しに来る」  古山: 「…お前まで巻き込まれることは無い」  いぶき: 「兄さんが追われてることぐらい知ってる……長が本腰を入れだしたことも」  古山: その言葉に。一瞬、肩が震えた。  古山: 何故かは、解らない。  古山: 「…なら、尚更だ」  いぶき: 「もう、山背兄さんだけの問題じゃないことも、多分知ってる」  古山: 知らず。足が、止まった。 ---2:17 サーバーから切断されました--- ---2:17 サーバーから切断されました--- ---2:17 接続キー認証中--- ---2:22 接続キー認証中--- ---2:22 サーバーから切断されました--- ---2:23 接続キー認証中--- ---2:25 接続解除しました--- ---2:25 接続キー認証中---  古山: どうだ。 ---2:25 【夜見】から【夜見(見物)】になりました---  ログ取りくまぁ: あにょん ---2:25 古山さんがやってきました---  古山: よし  古山: とりあえずですね ---2:25 サーバーから切断されました--- ---2:25 接続キー認証中--- ---2:25 ログ取りくまぁさんがやってきました---  いぶき: うん。  古山: 速攻行きます  ログ取りくまぁ: 一矢報いたけど入れてなかったらしい  いぶき: うい。そーりー  瑞未(バイト終了): 尻切れトンボはいやですよー  古山: 「……俺だけが、狙われればいいと思っていた」  古山: 「お前達に向く鎌は、全て俺の身で受けようと思っていた」  古山: 「…もう、遅いのか」  古山: 兄は、立ち止まったまま。  古山: 夕日を浴びて、その体は赤く。紅く。  いぶき: 「わからないけど、遅いと告げた人がいる」  古山: 「…告げた?」 ---2:29 ヨゴレ(見学)さんがやってきました---  古山: 「…この町で、か」  いぶき: 「何のつもりかはしらないけれど、旋風兄さんがこの街にいると言うことは、本当だったわ」  古山: 「!」  古山: 実のところ。迷っていた。自分の考えた、それに。  古山: けど。もう、迷っていられなくなった。迷っていたくも、なくなった。  古山: ゆっくりと、兄は振り返る。直ぐな瞳で、妹を見つめる。 ---2:34 さんが去りました------  古山: 「…旋風も、此処にいるのか」  いぶき: 「ええ、居るわ。……山背兄さん、3人なら、兄弟一緒なら、きっと何とかなると、思わない?」半ば、祈るように。  古山: ─何とか、なる。解らない。何とかならないかもしれない。  古山: ─違う。  古山: ─何とか、しなくてはならない。少なくとも。そう、少なくとも─  古山: 守らなくては、いけない。  古山: 「…いぶき」  古山: 「旋風の居るところを、知っているか」  いぶき: 「ええ。旋風兄さんはこの街のネットワーク、ベンヴェヌーティに。一応、私も……」  古山: 「Benvenuti、か」  古山: 苦笑。何処か嬉しそうな、苦笑。  いぶき: そこにいれば、助けられると、聞いたから。  古山: 「行こう」  いぶき: 「ええ、山背兄さん」  古山: ─もう、遅いのなら。  古山: ─もう、逃げられないのなら。  古山: ─なら、兄として。最愛の肉親達を、守るものとして。  古山: ─一緒に居て。傍らに居て。向けられる鎌を、向けられる死を。  古山: ─この身で、受けきってやる。 ---2:39 凍矢さんがやってきました---  古山: そして、歩き出す。  古山: 「─そうだ、いぶき。…一応な。俺、もう山背じゃないんだが」  いぶき: 「あ、……コヤマ、だっけ?」  古山: 「ああ。コヤマ・タカユキ。俺の名だ」  古山: 「…人の世での、俺の名だ」  いぶき: 「……覚えておくわ」(ちょっと自信無さそうに)  古山: 「……」少し不安げに見て。  古山: 「六年、か。人の世には、慣れたのか?」  いぶき: 「……多分、少しは。……正直、自信がないのだけれど(苦笑)」  古山: 「……今、何て名乗ってる」  いぶき: 「そのまま。特に名乗る相手も、居なかったし」  古山: 「あー」がしがし、と。頭を掻いて。  古山: 「…俺が古山を名乗っているのは、人の世で暮らすためだ。山背を捨てたのは、俺個人の…まぁ、けじめみたいなものなんだが」  古山: 「…山背とか、旋風とか、いぶきとか。あんまり、人の世だと無い名前だぞ」  いぶき: 「……そうみたいね」(ちょっと目を逸らしつつ)(つっこまれたことでもあったらしい)  古山: 「あー…」がしがし。  古山: 「……名前。ここで決めておけ」  古山: 「しばらく、この街に居ることになるだろうから」 ---2:45 夜見(見物)さんが去りました------  古山: さらりと言ったつもりでも、隠し切れない決意。  古山: 「…どうする?どんな名前が…」  古山: 振り向こうとして。少し、顔をしかめる。  いぶき: 「(眉をひそめ)急には思いつかないわ、それよりも……動かないで」手の内に薬壷を生む。  古山: 「あ…久しぶりに、見たな」間の抜けた言葉が出る。  古山: 肩の傷は、決して浅くは無い。  いぶき: 人の……兄たちの傷を癒す、これだけは誇れる力。  いぶき: 薬を塗る、指の流れに従って。傷は跡形もなく消えた。  古山: 命を奪う鎌を持ちながら、命を奪うことを否定する。山背にとって、妹のその力は…密かな、憧憬の対象だった。  古山: 「…昔より、手際がよくなった」  いぶき: 「……そう?」(僅かに嬉しそうに)  古山: 「………ああ。ありがとな」  古山: 「……ふむ」  古山: 何かを考えるように、一瞬遠くを見る。そして、ちらりと目だけでいぶきの顔を見る。  古山: 「…みこと」  古山: 唐突に。ぽつり、と呟いた。  いぶき: 「?」  古山: 「名前だよ、名前…いのちと書いて、命。…なんて、どうだろう」  古山: 自身無さげに、ちらり。  いぶき: 「命………みこと、いい響きね……そうね、これからは、そう名乗るわ」  古山: 「…いいのか。結構適当な気もするんだが」苦笑。  古山: ただ、嬉しそうな苦笑。  いぶき: 「いいの。じゃぁ、行きましょう」  古山: 「…ああ」  古山: そして、兄妹は歩き出す。  古山: 夕方。妖しの身である兄妹にとって、妖怪達にとって、馴染みが深い時間。降魔ヶ刻。  古山: 極僅かな、狭間の時間。  古山: 太陽は沈み、人の生み出した灯りが点る。  古山: 昼。幸せな、太陽の光に照らされた、過去。  古山: 夕方。魔が溢れ、鎌鼬達は揺れ動く。  古山: そして、夜。人の世の光と、真の闇の混在する時間。今から、兄妹が歩む時間。  古山: そして、兄妹は歩き出す。  古山: また日が昇り。また、あの幸せが戻ってくることを信じて。歩き出す。  いぶき: (オマケ)「(はたと困る)……えーと、あの建物を右に………?あれ、で……その後…?」  いぶき: 「………………………………」  古山: 「……………やっぱ変わってないわ。お前」  古山: 「………………………」  古山: 「………おまわりさーん!」  古山: だだだだ。交番めがけて走り出し。  いぶき: 「……兄さんも情けないのも、かわらないのね」何つか遠い目  古山: 「……これがな。人の世の、力ってやつだ」  古山: ああ。やっぱり、変わってない。こんなところも、変わってない。  古山: 「…いいからいくぞ!いぶ…命!お前も来い!」  いぶき: 「う、わかったから、手を引っ張らなくてもその距離じゃ迷わないってば!」  古山: そして、兄妹は駆けていく。人の世の生んだ、灯りの中へ。  古山: それは所謂運命か。それとも、ただの偶然か。  古山: そして、今巡り合い。そして、今歩き出し。  古山: 日常の流れ。非日常の断片。  古山: 朝が来て、昼が来て、夕方を挟み、夜となり。きっと、それは繰り返す。  古山: DR外伝「降りた兄妹」  古山: これにて終了ですー!